日本のフードカルチャーガイド

記事を依頼する

「牡蠣小屋」ならぬ「カニ小屋」!? 茹でたてのベニズワイガニを味わう冬の富山旅【詩歩の死ぬまでに食べたい!日本の絶品ごはん#1】

 

はじめまして。絶景プロデューサーの詩歩です。皆さんは旅のごはん、どうしていますか?私は仕事柄「絶景」を巡る旅をしているのですが、旅の楽しみといえばやっぱりその土地でしか食べられない「ごはん」ですよね。
絶景のあるところに、絶品ごはんアリ! 日本の絶景を巡る旅の途中で出会った「旅のごはん」を皆さんにおすそ分けしたい…。そんな思いで、ソトレシピLOCALにて連載をスタートさせていただくことになりました。連載テーマは「死ぬまでに食べたい!日本の絶品ごはん」。奥深き日本のごはん巡りを、一緒に楽しんでもらえたらうれしいです。

詩歩
1990年生まれ。静岡県出身。世界中の絶景を紹介するFacebookページ「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」を運営し、70万以上のいいね!を獲得し話題に。書籍「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」シリーズを出版し累計63万部を突破。アジア等海外でも出版される。昨今の”絶景”ブームを牽引し、2014年は流行語大賞にノミネートされた。 現在はフリーランスで活動し、旅行商品のプロデュースや企業とのタイアップ、自治体等の地域振興のアドバイザーなどを行っている。浜松市観光大使。
・Facebookページ「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 」 https://www.facebook.com/sekainozekkei/
・Instagram https://instagram.com/shih0107/
・ブログ「Shiho and…」http://shiho.me/

寒くて外出がおっくう、なんていうことなかれ。日本には「冬でしか味わえない一皿」がたくさんあります。「死ぬまでに食べたい!日本の絶品ごはん」第1弾は、冬の美食で思い出す富山県。ベニズワイガニの水揚げで有名な新湊(しんみなと)漁港(富山県射水市)で、人生初の茹で立てカニを食しました。
新湊漁港では、9月~5月の期間のみ、ベニズワイガニ(高志の紅ガニ)のセリを見ることができます。ここの「セリ」は早朝と昼の2回開催で、昼もやっているセリは全国的にも珍しいそう。早朝の暗い中出かけなくても、漁師さんたちの威勢の良い様子を見学できるんです。

漁港の周りには、水揚げされたばかりのベニズワイガニを食べられる「蟹小屋」があります。
生きたまま茹で上げられ、より鮮やかな朱色へと変わる様子をガラス越しに見られます。

湯気が立った熱々のカニは、胴体が手のひらサイズでボリューム感たっぷり。カニ1杯を丸ごと一人で食べきる、贅沢な時間です。

うれしいのは、カニを解体してくれる専門のスタッフさんがいるところ。カニみそから、手足の先の身まで、無駄なく食べられるように手際よくお膳立てしてくれるので、まさにおいしいところどり。「カニっておいしいんだけど、食べるのがめんどくさいよね」なんて“カニあるある”は一切ございません。

身がやわらかくほくほくした食感は、新鮮だからこそ。ここのカニは1,000mの深海で育っているため、高い水圧にも負けないよう体に水分を多く含んでいるのだそう。ジューシーで瑞々しく、カニの甘みも濃厚です。まさに「絶品」。何もつけずに、カニのうまみを満喫してほしいです。


 

@shoyu2019

©️Shiho/詩歩 「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」@Shiho✈︎世界の絶景🌏✨ #詩歩 #カニ #富山 #日本 #旅 #和食 #shoyu #travel #japan #japanesefood ##toyama

♬ オリジナル楽曲 – SHOYU編集部【公式】

お腹を満たしたら、ぜひ立ち寄りたい絶景スポットが「雨晴(あまはらし)海岸(富山県高岡市)」。富山湾越しに3,000m級の立山連峰を望める絶景スポットです。冬は立山連峰に雪がかぶるので、幻想的な光景が見られます。

この日は見えませんでしたが、実は雲がない日はこの写真の奥に壮大は「立山連峰」が現れるんです。次こそは是非見てみたい!
「雨晴」という素敵な名前は、源義経が奥州へ落ちのびる途中、雨が晴れるのを待った「義経岩」があるから名付けられたのだそう。私が訪れたときもちょうどにわか雨が降ってしまい、岩陰で晴れるのを待ったので、図らずも「雨晴」体験をすることに。
近くには「道の駅雨晴」もあるので、カフェで富山湾を眺めながら、海産物など地元食材を使った軽食やパフェも楽しめます。

高岡市は「高岡銅器」が有名な鋳物(いもの)の町でもあります。モノづくり体験をしたい方は、「錫(すず)」のぐい吞みや小鉢、アクセサリーなどの製作体験に行ってみては。
私が訪れたのは、全国的にも有名なブランド「能作」さん。工場見学や体験ができる広大な敷地内にカフェスペースもあり、錫製の小鉢やお皿に盛られたご飯を楽しめます。錫は熱伝導性がとても高いので、錫製タンブラーで冷たい飲み物を飲むと、きりっと冴えわたりおいしさも倍増です。
https://www.nousaku.co.jp/factory/imono/

穴場の絶景としておすすめしたいのは、富山の「合掌造り集落」です。合掌造りといえば、岐阜県の白川郷が有名。でも、あまりの人気で夜のライトアップは事前予約もとりにくいほど、いつも混雑しています。一方、富山の集落は規模こそ小さいものの、その美しさは引けを取りません。雪がしんしんと降り積もる中、伝統的な集落がライトアップされた様子は神秘的です。
私が訪れたのは相倉集落。集落にある32戸の住宅のうち20戸が合掌造りで、急傾斜の切妻造り・茅葺きの民家になっていました。

富山旅の楽しみはまだまだ終わりません。
富山は県全体で「とやまのおいしい朝ごはん」という取り組みをしていて、旅館の朝ごはんは地元素材にこだわり、新鮮ですごくおいしいんです。

「とやまのおいしい朝ごはん」には、
1、富山県産米を使用し、富山のおいしい水で米を研ぎ、朝炊きのごはんを提供すること
2、富山県内産食材を使用した各地域ならではの朝食を提供すること
3、朝食時に、富山のおいしい水を提供すること
とルールが定められていて、地域ごとに地元の郷土料理や、その土地ならではの食材を使った朝ごはんが食べられます。おいしい朝ごはんのために旅館を選ぶ…なんていう楽しみも、富山ならではだなと思っています。

※取り組みに賛同している旅館は下記を参照ください
http://yado-toyama.jp/asagohan/?tid=100064

富山県の「絶景」と「絶品ごはん」いかがでしたか?
皆さんもぜひ富山県を旅してみてください!

インタビュー/ソトレシピ編集部
文/田中瑠子
写真/詩歩、field design, Inc

Writer
Photographer
ページトップ