日本のフードカルチャーガイド

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瑞々しいフルーツと海鮮に舌鼓! 愛媛&香川の絶景スポットを歩く【詩歩の死ぬまでに食べたい!日本の絶品ごはん#8】

 

こんにちは。絶景プロデューサーの詩歩です。今回ご紹介するのは、みかん県で知られる愛媛。豊かな海の幸に恵まれ、ここでしか食べられない一皿がたくさんあります。一緒に訪れた香川県とともに、旅の思い出をおすそ分けできればと思います。

200匹以上の猫が暮らす島「青島」へ

愛媛県・松山空港に降り立つとまず目を引くのは、「蛇口から出るみかんジュース」。今やSNSなどでも多く発信され、知っている方も多いのでは⁉ 蛇口をひねってジュースが出てくると、テンションが上がってしまうのが不思議。愛媛県からのウェルカムドリンクだと思って、おいしくいただきました。

いまや松山空港名物⁉ 動画を撮る観光客もたくさんいます
  
最初に向かったのは、猫の島で知られる「青島」(愛媛県大洲市)。住民が3世帯6人と、深刻な過疎化が進む島ですが、ここに住んでいる猫はなんと約210匹! 猫好きな人は知る人も多い、世界的にも珍しい島なんです。
船が出るのは、伊予長浜駅から徒歩2分の長浜港。午前・午後1往復ずつ運航しています。
島につくと、見渡す限り猫、猫、猫。島には宿もお店も、自動販売機すらありません。猫とのんびり戯れるだけの贅沢な時間は、日常の生活空間とは別世界です。

あっという間に猫に囲まれる!
  
ただ、猫の島には「猫がたくさんいてかわいい」という話に留まらない、深刻な問題もたくさん…。島民がいなくなれば、船の行き来もなくなり、猫たちは島に取り残されてしまいます。猫が増えすぎて健康管理が難しいことから、2018年には県のボランティアスタッフさんにより大半の猫の不妊・去勢手術が行われたそう。まだすべての猫とはいえないようで、繁殖がこれ以上進まずに、猫たちがおだやかに暮らせる日々を願わずにはいられません。

猫との会話(独り言?)を思う存分楽しめます
  
まるで贅沢な卵かけご飯! 愛媛の漁師めし「鯛めし」  
愛媛に来たら「これを食べなくちゃ!」と、地元の方が口を揃えるのが、「鯛めし」です。愛媛県は真鯛の生産量が全国1位。国内シェア50%を占めるといわれています。
鯛めしといわれて多くの人がイメージするのは、鯛を炊き込んだものでしょう。しかし愛媛には、この炊き込み鯛めしのほかに、「生」で食べる鯛めしがあるんです。

焼いた鯛を昆布だしでふっくら炊き込むのは、松山市を中心とした中予~東予地方の「松山鯛めし」。

釜で炊く、松山鯛めし
  
これに対して、宇和島市を中心にした南予地方の鯛めしは、生卵入りの濃厚なタレに鯛の刺身を入れ、鯛ごとあたたかいごはんにかけます。これが漁師めしとして知られる「宇和島鯛めし」です。甘いタレに生卵が混ざり、まるで贅沢な卵かけご飯! 何杯でもご飯が食べられそうな絶品です。

生卵入りのタレが絶品。道後温泉駅から徒歩3分の「魚武」さんでいただきました

 

あつあつご飯にぶっかけて豪快に頬張るのが、漁師めしの食べ方

 

魚のすり身を揚げた愛媛県の郷土料理「じゃこ天」もいただく。ギュッと身がつまり、魚の素朴な旨みがクセになる一品です

道後魚武
URL:http://dogo-uotake.com/

日本で一番海に近いフォトジェニックな駅「下灘駅」へ

瀬戸内海の穏やかな海を楽しみたいなら、おすすめしたいのが「JR下灘駅」。日本一海が近い無人駅として知られています。
松山駅からJR予讃線で約45分。その言葉通り、ホームに降り立つとすぐ目の前に海が広がります。瀬戸内海は波が少なく、まるで時間が止まっているかのような静けさ。

無人駅ですが観光客はちらほら。フォトジェニックな下灘駅
  
駅のすぐ近くには、白いトレーラーハウスが目印の「下灘珈琲」があります。たくさんのみかんがお出迎え。コーヒーのほか、ビスコッティやシフォンケーキなど数量限定のスイーツも食べられます。私はみかんジュース(450円)を、海沿いの席でいただきました。

丸っこいフォルムのかわいいトレーラーハウスについ引き寄せられる
  

“甘め”と“酸っぱめ”から選べるみかんジュース
  
下灘珈琲
URL:https://tabelog.com/ehime/A3801/A380103/38011835/

リフレクション効果で美しさも2倍に! 香川の絶景スポット「父母ヶ浜」

愛媛旅では、お隣の香川県にも立ち寄りました。道後温泉からは車で約2時間(約115㎞)となかなかの移動距離。瀬戸内海を眺めながら進むので、旅の一環としてドライブを楽しめます。
向かったのは、リフレクションビーチとして全国的に有名な父母ヶ浜(香川県三豊市)です。
かつては埋め立てる計画もあった場所でしたが、市観光協会が主催したフォトコンテストで父母ヶ浜の夕暮れ時の写真が選ばれたのを機に「こんなにキレイな場所だったのか!」と見直されるように。その後、SNSでも広がり、今では年間30万人もの観光客が撮影に訪れる人気スポットになっています。

父母ヶ浜は、瀬戸内海に面した、全長1㎞の砂浜が続く遠浅の海岸。遠浅なので、潮が引いたときの干潮時に潮だまりがあちこちに現れます。鏡のように穏やかな水面になるのは、波の影響を受けないから。この絶好の環境が、上下対称の幻想的な風景を作り出すことができるのです。

夕暮れ時の父母ヶ浜

 

空の美しいグラデーションも水面に写り込む。いろんなアイデアで撮影を楽しめます
  
父母ヶ浜に来たらぜひ寄りたいのが、ふわふわのかき氷を提供してくれる「KAKIGORI CAFEひむろ」。こちらの魅力は、地元のフルーツを使った期間限定かき氷があるところ。例えば、3月には「仁尾産のレモンとはちみつで作ったシロップ」や「三豊、観音寺産のいちごを使った地産池消氷」など、旬の食材の甘酸っぱさを堪能できるんです。

イチゴと練乳のかき氷

 

レモンの酸っぱさに身体が喜びます
  
かき氷は、フルーツそのものの味が引き立つ極上のスイーツ。その時期だから採れる食材の甘みは、どんな豪華な料理にもかなわないな…と実感します。

KAKIGORI CAFE ひむろ
URL:https://www.facebook.com/kakigori.himuro/

インタビュー/ソトレシピ編集部
文/田中瑠子
写真/詩歩
訪問日/2019年4月

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Photographer
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